難易度や合格率は?
保健師の国家試験について
毎年2月に行われている保健師の国家試験は合格率が高い資格といわれているだけあってそれほど難易度は高くないですが、専門的な内容が問われるので油断は禁物です。試験は毎年2月の中旬~下旬にあります。試験内容や日程、願書の受付方法は毎年8月に厚生労働省のホームページで発表されるので、まずはそちらをチェックしておきましょう。
試験内容は?
試験は公衆衛生看護学・疫学・保健統計・保健福祉行政論から出題されます。看護師資格を持っている人にはなじみがあるかもしれないですが、復習しておきましょう。
【公衆衛生看護学】とは、高齢者や精神障がい者、身体障がい者、知的障がい者、難病患者、妊産婦や新生児を対象に個人や家族、地域全体の健康と生活の質を向上させるために保健師がするべき取り組みをまとめたものです。
【保健統計学】とは、医療や疾病、保険などの分野に関する統計から問題となりそうなものや予測される出来事を推測し、対処していくための指標です。年齢や地域ごとに集計することで問題点がより浮き彫りになるので具体的な対策を立てることができます。
【疫学】とは、伝染病の発生率や原因を調べることです。原因や発生頻度を知ることで病気に対する対策も具体的に立てることができます。疫学は保健統計学とも重複する点が多いので、試験でつまずく人も多いようです。
【保健福祉行政論】とは、法や制度を活用して健康を維持・増進したり、健康について何らかの課題がある人を支援したりすることです。市区町村の保健センターなど行政の施設で働く保健師も多いので、これはしっかりと理解しておきたい分野ですね。
合格率はどれくらい?
保健師国家試験の合格率は多少波があるものの、85%~90%以上と非常に高くなっています。これは保健師養成課程でしっかりと学んだ後に受験するからなんですが、合格者の内訳をよく見てみると新卒と既卒では合格率に差が出ていることが分かりました。
2014年に行われた【第100回保健師国家試験】では新卒の合格率88.8%に対して既卒の合格率は36.1%、翌2015年に行われた【第101回保健師国家試験】では新卒の合格率が92.6%、既卒の合格率は43.1%という結果でした。
こうやって数字で見ると、いかに既卒の合格率が低いのかが分かりますね。受験するのであれば知識が定着しやすい新卒の方が合格しやすい傾向があるようです。
試験の得点率を見てみると例年60%以上で合格になっているみたいです。過去問で70%~80%以上解けるように勉強しておけば合格の確率もぐっと高まります。まずは過去問で70%~80%の正答率!を目標に頑張りましょう!
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活躍できる場所は?
看護師と保健師はニーズが高いので活躍の場もひとつじゃありません。色々なところで看護師や保健師を必要としていますが、その中でも看護師は病院やクリニックが、保健師は保健センターで働くのが一般的で、多くの人が働いています。